桜の名所として名高い会津。
鶴ヶ城や日中線のしだれ桜をはじめ、人気のスポットがたくさんあります。
その中で会津五桜と呼ばれている桜があるのをご存知ですか?
今日はそんな会津五桜を紹介します!
江戸時代から続く桜の名所!会津の五桜って?
会津の五桜と呼ばれる桜があります。
実は会津には江戸時代の1852年に編纂された「若松緑高名五幅対」という表があります。
その五幅対で「高名桜」として紹介されている五つの桜があり、今ではその5つは会津五桜と呼ばれています。
若松緑高名五幅対とは?
「若松緑高名五幅対」とは、会津城下町で人気のある「こと」や「もの」のBEST5を紹介した番付表です。(「五幅対」は「ごふくつい」と読みます)
謡曲や能狂言、長唄といった芸事から、五街道や名所、名酒といったものまで、たくさんのカテゴリーが紹介されています。
江戸時代に東北第2位の藩として知られた会津城下の文化を窺い知ることができ、眺めていて飽きのこない表です。
会津五桜
五幅対の中で紹介されている会津五桜は下記になります。
- 石部桜
- 薄墨桜
- 虎の尾桜
- 大鹿桜
- 杉の糸桜
会津の五桜
石部桜(いしべざくら)
大河ドラマ『八重の桜』のオープニングに登場し、五桜の中でも最も知名度の高い桜です。
市内中心部からは少し外れますが、飯盛山などの観光地からも比較的近い立地でも人気です。
樹齢約650年とされるエドヒガンで、中世から戦国時代まで領主だった芦名家の重臣だった石部治部大輔の庭にあったことから、石部桜として伝わっています。
武家の屋敷に相応わしい雄大な立ち姿の桜です。
会津若松市 石部桜
例年の見頃
4月下旬
所在地
〒965-0003 福島県会津若松市一箕町八幡石部
薄墨桜(うすずみざくら)
薄墨桜は伊佐須美神社の境内にある御神木です。
伊佐須美神社とは約1,400年の歴史がある会津地域の中心となる神社です。
伝承では遷座された560年から御神木とされているとか。
アイヅウスズミという学名をもち、まさにここでしか見れない桜として知られています。
墨汁を含んだような白色があることから、薄墨桜と呼ばれています。
岩代国一之宮として地域から信仰を集めた神社に相応わしい歴史ある桜です。
会津美里町 薄墨桜
例年の見頃
4月下旬
所在地
〒969-6263 福島県大沼郡会津美里町宮林甲4377
(伊佐須美神社境内)
虎の尾桜(とらのおざくら)
会津美里町の法用寺にある桜です。
法用寺は会津三十三観音の一つで、1,300年近い歴史のある寺院です。
虎の尾桜の名前の由来には諸説あるよう。
木の形を虎の横たわる姿に見立てたという説、花弁から尻尾のように細い尻尾が出ているからという説。
ぜひ、実際に見て確かめてみてください。
境内には県指定の重要文化財である三重の塔があり、こちらも必見です。
会津美里町 虎の尾桜
例年の見頃
4月下旬
所在地
〒969-6274 福島県大沼郡会津美里町雀林三番山下3554
(法用寺境内)
大鹿桜(おおしかざくら)
磐椅神社(いわはし神社)の境内にある桜です。
社伝によると947年に村上天皇の勅使により奉納されたとか。
名前の由来は新編会津風土記に「花色鹿の毛彩に似たり」という記述があり、実際にソメイヨシノよりも濃い色味の花が咲くことで知られています。
磐椅神社は磐梯山の古名である磐椅を社名に持つ神社です。
927年に成立した延喜式神名帳に伊佐須美神社と並び記載がある歴史ある神社として知られます。
猪苗代町 大鹿桜
例年の見頃
五月上旬
所在地
〒969-3102 福島県耶麻郡猪苗代町西峰6199
(磐椅神社境内)
杉の糸桜(すぎのいとざくら)
会津坂下町の薬王寺境内にあります。
エドヒガン系のシダレザクラで、白色の花弁が糸を連想させ、糸桜と呼ばれているようです。
杉というのは所在地を見れば分かる通り、杉地区にあることが由来のようです。
薬王寺は会津坂下町の古刹として知られています。県指定重要文化財である木造阿弥陀如来坐像を本尊としています。
会津坂下町 杉の糸桜
例年の見頃
4月下旬
所在地
〒969-6585 福島県河沼郡会津坂下町船杉北杉大道上乙1170
(薬王寺境内)
まとめ
以上、会津の五桜をまとめてみました。
どの桜も歴史が長く、会津の歴史と共に育ってきた桜ばかりです。
どれも寺院の境内や歴史的に重要な場所にあります。
けっして観光地として整備された場所ではないので、マナーを守って訪れたいですね。
会津五桜マップ
最後に会津五桜のマップをまとめました。
ぜひ、気になる桜から訪れてみてください。
ねづ店長のワンポイントアドバイス
会津五桜はどれも派手さはないけれど、その佇まいは心にぐっと沁みるものがあるよ。大切な人と静かに訪れたいね。