J.K.ローリングの新しい物語『イッカボッグ』はAudibleで楽しむ

  • 2020年11月26日
  • 2021年3月21日
  • Audible

2020年11月25日、『ハリー・ポッター』シリーズの作者であるJ.K.ローリングから新しい物語が届きました。

その物語の名前は『イッカボッグ』。

世界で一番幸福な街「コルヌコピア王国」に伝わる謎の怪物「イッカボッグ」にまつわる物語です。

ハリー・ポッターも魔法も登場しません。これはまったく別の物語です。

『イッカボッグ』公式サイトより

さっそく『イッカボッグ』を読んだので、あらすじと感想をまとめました。

『イッカボッグ』とは?

『イッカボッグ』はJ.K.ローリングが2020年末にリリースした新しい物語です。

日本語版の出版はハリー・ポッターシリーズでお馴染みの静山社です。

あらすじ

●舞台は世界一幸福な国「コルヌコピア王国」
そこは立派な髭をもつ不敵なフレッド王が統治する国でした。

国民は充分に幸せで、食べた人皆んなが嬉し泣きするパンを作る街や、金貨何千枚の価値のあるワインを作る街、チーズや蜂蜜で有名な街がありました。

●この国には一つ不思議な伝説があります
それは王国の北にある「マーシランド」という荒れ果てた土地に伝わる怪物の話です。

人々はその怪物を「イッカボッグ」と呼んでいました。見かけた言う人は時々いるのだけど、実態は誰にも分からない謎の怪物です。

王国の人たちは誰も本当にはイッカボッグのことを信じていなくて、せいぜいが大人が子供にお説教をする時にこう言うくらいでした。「イッカボッグに食べられるぞ!」と。

●王様の悪い二人の側近
さて、王様の周りにはスピットルワース卿とフラプーン卿というずる賢い側近がいました。

二人は王様を自分たちの都合の良いように仕向け、王様に二人ほど忠実な人間はいないと思い込ませていました。

二人はよく王様と狩に出かけていました。

●裁縫婦長ドーラの死
ある日、他国の王の訪問にそなえて、王様はお抱えの裁縫婦長であるドーラ・ダブテイルに新しい衣装を一式縫わせることにします。

すると体調の悪かったドーラは三日三晩縫い続け、やがて床に倒れて死んでしまいました。

王様はドーラが死んだのは自分のせいではないと信じ、周囲の人たちもそのように振る舞いました。

しかし、ドーラの娘のデイジィ・ダブテイルだけは母親が死んだのは王様のせいだと信じ、やがて王様のことをこのように言いました。

●王様がイッカボッグ狩りを開始する
「王様は自分勝手で自惚れで残酷だわ!」と。

やがてデイジィの言葉が王様の耳に入ります。

王様の自尊心は深く傷つきました。

そこで、自分がいかに素晴らしい人間であるかを証明することにしました。

そして、ある羊飼いの嘆願をきっかけに、王様はマーシランドまでイッカボッグの伝説を調べに狩りに出かけることにしました。

そこにはずる賢いスピットルワース卿とフラプーン卿も一緒にいて、事件がおこりだします…。

出版の経緯

公式サイトでJ.K.ローリングは物語の誕生の経緯をこう説明しています。

物語を思いついたのはずっと前で、執筆しながら下の子供たち二人に毎晩少しずつ読み聞かせていたと。
しかし、その時は出版にはいたらず、屋根裏部屋で寝かせることになっていたそう。それがこの新型コロナウイルスのパンデミックを機に改めて世に出すことにしたそうです。

日々、公式サイト上で無料公開していたのが、この度世界同時出版という形で11/25に書籍としてリリースされました。

感想

イッカボッグは子供向けに書かれてはいますが、正体不明の謎の怪物や、優柔不断な為政者、自分の利益ばかりを追求する側近、政治に振り回される市民など、大人でも十分すぎるほど楽しめる物語になっていました。

執筆はコロナ禍よりもずっと前にも関わらず、思わずこの世界の現状と照らし合わせながら読んでしまったり…。

良いファンタジーは現実を反映していると言われますが、まさにイッカボッグはそうした作品です。

舞台は中世イギリスのような世界観で、非現実的なファンタジー世界が徹底して作り込まれています。

子どもたちを主人公に、何度もチャレンジを続け、皆んなが恐れる正体不明の存在「イッカボッグ」へと近づいていく姿に心が打たれます。

子供ならきっと大人になるまで心に残るも物語となり、大人なら今の自分に勇気をもらえる物語となるのではないでしょうか。

書籍版『イッカボッグ』

書籍版は紙の本とKindleで販売されています。

可愛いファンタジーチックな装丁で、プレゼントにもぴったりで、家の本棚にも置きたくなりますね。

Audible版『イッカボッグ』

今回、『イッカボッグ』はAudiblにてオーディオブックが書籍と一緒に同時発売されています。

日本語版オーディオブック『イッカボッグ』は豪華タッグで実現しています。

J.K.ローリング×松岡祐子×松嶋菜々子×Audible

そう、朗読は女優の松嶋菜々子さん。

表現豊かな朗読で子供から老人、王様や悪役の側近、そのほかの物語を彩るたくさんの職人たちを演じ分けています。

スタジオはオーディオブックの質に定評のあるAudibleからの出版です。
Aubibleのオリジナル作品である「ONLY FROM audible」とクレジットされています。

松嶋菜々子さんのAudible版収録時のインタビュー映像です。

こちらの映像からでも作品世界の雰囲気が伝わるかと思います。

再生時間は9時間38分、聴き始めると一気に聴いていたくなるそんな作品です。

イッカボッグとは何か?と考えながら聴き進めていくので、ある意味で終盤の展開に驚かされます。

イッカボッグという得体の知れないものに振り回される為政者、それを利用する政治家、翻弄される市民。

ファンタジーが持つリアリズムの力を感じることのできる作品です。

Audible版

朗読作品ながら紙の書籍と400円ほどしか変わらずだいぶお得ですね。

また、オーディブルは初月無料となっているので、まだ未登録の方なら最初の一冊として無料で手にすることもできます。

まだイッカボッグを読んでいない人も、紙で読んで再読したい人も、ぜひ松嶋菜々子さんの朗読を楽しんでみてください。

オーディブルについては下記で簡単にご紹介します。

オーディブルの始め方

1995年からの歴史のあるアメリカでは、既にオーディブルの英語タイトルは30万冊を超えているそう。

日本語タイトルは検索すると現在12,000冊です(2021年1月)。

日本でもコロナ禍以降、音声市場は急成長産業になるとも言われており、今後のラインナップ充実も期待できそうです!

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現在、Audibleでは最初の一ヶ月が無料になるキャンペーンを実施中です。
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ねづ店長のワンポイントアドバイス

国中に流布するイッカボッグという謎の怪物の伝説。世界一幸福な国で巻き起こる国を揺るがす大事件。童話として子供向けに書かれているけど、寓意とリアリズムに溢れた全世代が楽しめる物語だよ。

オーディブルについてはこちらで解説

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