本が読めない人と読めなくなった人のための読書術

本が読めなくなることってありませんか?

今、本が読めなくて困っている人は次のどちらかに該当するのではないかと思います。

  1. これまで本を読んでこなかったけど、読んでみたい。でも、本が読めない。
  2. 昔はたくさん本を読んでたけど、最近は頭に入らず、本が読めなくなった。

私はこの両方を経験しました。これまで人生で読書の壁に二回ぶちああたりました。

18歳の本を読み始めたとき、30歳で読書量が急激に落ちたとき、、、

二回とも、色々と工夫をすることで乗り越え、読書を習慣化させることができました。

今日は、本を読めなくて困っている人のために、本が読めないときにこそおすすめの読書術を紹介していきます。

 この記事を書いている人
18歳の時から読書家になる。それまでほとんど読書をしてこなかった。これまで読んだ本は1500冊以上だが、30歳をすぎてまた本が読めなくなってきた。

それでは、どうぞ。

本が読めない人と読めなくなった人のための読書術

薄暗がりで本を読む人

繰り返しますが、本が読めない人は次のどちらかのパターンだと思います。

  1. これまで本を読んでこなかったけど、読んでみたい。でも、本が読めない。
  2. 昔はたくさん本を読んでたけど、最近は頭に入らず、本が読めなくなった。

まずは①からの解決のために私がしたことを話します。

本を読めない人のための読書術

村上春樹と村上龍と吉本ばななのデビュー作

18歳まで私はほとんど本を読まずにいました。

当時の友人たちに読書家が多く、彼らが文学や詩などの会話を楽しんでいるのを見ていて、とても格好良く見えました。

自分も彼らのように文学や詩にふれてみたい、そんな憧れから読書をはじめました。

それに、これまでほとんど本を読んでこなかった自分を急に恥ずかしく感じたんですね。
それからむさぼるように本を読むようになりました。

とはいえ、これまでほとんど本を読んできていないので、急に本を開いても頭に入ってきません。

そこで、たくさんの本を読めるようになるまでにしたことを3つにまとめました。

  • 読みやすい本を見つけて読書の面白さと出会う。
    小説ならデビュー作を狙え
  • まずは読みきってみる
  • 気になった本は片っ端から買って積ん読する

読みやすい本を見つけて読書の面白さと出会う。小説ならデビュー作を狙え

まずは自分のなかで読みやすい本を見つけてみましょう。

本はとにかくたくさんあり、幅広いです。
たまたま手にとった本が合わなくても、必ずどこかに自分と合う本があります。
そうした本と出会い、本の面白さを知るのが大切ではないでしょうか。

面白い本と出会うコツは、読書家の友人から面白い本を教えてもらうことです。

友人だけあって趣味趣向が近く、あなたのこともよく知っているので最適な本を紹介してくれる可能性が高いです。

もしタイトルや要約だけ聞いてピンとこなくても、きっと意味があって紹介してくれるので、まずは手にとってみるのが良いのではないでしょうか。

私も友人に本を紹介してもらったことが、読書を好きになるきっかけとなっています。

ちなみにせっかくなので、私が読書の面白さを知るきっかけになった本を紹介します。

星新一のショート・ショートを読む

ショート・ショートという作風をご存知でしょうか?
超短編小説と呼ばれ、わずか数ページの小説が展開されていきます。

星新一はショート・ショートの神様と呼ばれたSF作家で、簡易な言葉で物語がすすんでいきます。

文字通りに読みやすい小説なのですが、深みのある作品が多く、こんな小説があるのか!と当時はとても衝撃を受けました。

» 星新一『きまぐれロボット』

大御所作家のデビュー作を狙え、村上春樹・村上龍・吉本ばなな

大御所作家のデビュー作もおすすめです。

たくさんの長編小説を発表している作家も、デビューは各文芸誌の新人賞への応募が多く、当然それほど長い小説ではありません。

複雑なプロットの小説よりは、爽やかで読みやすく、若々しい作品が多いです。

特に私は3名の作家のデビュー作に影響を受けました。

» 村上春樹『風の歌を聴け』

» 村上龍『限りなく透明に近いブルー』

» 吉本ばなな『キッチン』

気に入った本の作家の別作品を読んだり、作家が影響を受けた別の作品や同時代の作品に広げていきましょう。

自分が作品のどういう箇所にひかれたのかを考えるのが大切です。

まずは読みきってみる

次に大切なことは、最後まで本を読み切るということです。
本を開いて物語や内容が頭にはいらないと、苦痛を感じます。でも、その苦痛を乗り越えないと本を読めるようになりません。

読む本によって難しさも変わってきますが、まずはなんとかギリギリ読み通せそうな本を選びましょう。

そして、選んだ本は頑張って読み通してみましょう。

物語や内容が理解できなくてもかまいません。
どれだけ時間がかかってもかまいません。
とにかく文字と行を追い続けて、最後まで読み切ってみてください。

ランニングと同じです。
どれだけタイムが遅くても、マラソン大会などで走りきった経験は必ずいつか自信になります。

読み切ることで、感じることがあります。
読んですぐは分からなくても、とにかく一冊読んだという経験は必ず人生を豊かにします。

もう一度同じ本を読み返してもいいですし、また別の本に向かってもいい。そこでもまた、頑張って読み通してみてください。

ちなみに私は一作読むのに一年かけた本がいくつかあります。

気になった本は片っ端から買って積ん読する

気になった本は思い切って買ってみましょう。

買うというのはとても大事なことです。

私も買ったけど読んでいない本、いわゆる積ん読本が常に部屋の中にあります。

多いときには10冊以上の積ん読本がたまり、いつか読まれる日を待っています。

本がすぐそこにあるというのは、常に頭のどこかで意識され続けます。

そして、ふと「そういえば、その本読まなきゃな」と思い手に取ります。
すると、嘘のように本がスラスラと読めたりします。

その本を読むための時間が頭の中で発酵され続け、ベストなタイミングで手に取るとき、面白いように本が読めるようになるんです。

読書を続けていると必ずそういうタイミングが訪れます。

買って読まなくてもいいんです。積ん読しても構わないので、気負わずどんどん本を買ってみてください。

本が読めなくなった人のための読書術

スマートフォンとヘッドフォンでオーディオブックを聴く人

そして、昔はたくさんを読んでたけど、最近は読んでも頭に入らなくなってきたという方。

実は私も30歳になる頃、一時期ほとんど本が読めなくなりました。

それまでは月に5〜10冊読んでいたのですが、月に1冊も読めなくなったときがありました。

理由はいくつか考えられます。

  • 仕事が忙しく休日も気持ちが休まらない
  • 家事や家族のこともあり時間がとれない
  • 本を読まなきゃという気持ちがプレッシャーになっている

本を読むには集中力が必要ですが、集中力が散漫になってくると本が読めなくなります。

なので、集中力が削れる理由をなくしていけばいいのですが、30代にもなると仕事でも大きな責任を持ちますし、子育てや親の介護など、時間的にも精神的な忙しさから解放されることは難しいです。

そこで、そのような状況でもできる読書のコツを紹介していきます。

今の私は月に3〜5冊の読書量です。

読書方法を次の3つに分けるようにしています。

  1. 最初から最後まで読まない本
  2. 一冊だけじっくり読む本
  3. オーディオブックで聞く本

最初から最後まで読まない本

まず、本を最初から最後まで読むのをやめました。

実用書やビジネス書の多くは、必要とする情報は一握りです。本を購入すると全て読まなきゃいけない気がしますが、必要な箇所だけを読むようにしました。

全て読む、というプレッシャーから解放されるだけでだいぶ楽になりますよ。

本を全部読まなくても本を読んだといえるのか?と昔の私も考えていましたが、ピエール・バイヤールの『読んでいない本について堂々と語る方法』という本を読んでから考え方が変わりました。

そもそも本を読んだという状態はどのようなことか?
読書への気構えがかなり楽になるおすすめの一冊です。

一冊だけじっくり読む

小説などは最初から最後まで読まないと物語が分からなくなります。なので、小説などは一冊だけじっくり読む本としています。

小説や、本当に気になる一冊はじっくり読むようにしています。
本当にこの一冊はじっくりと読んでいます。

各章の要約をメモしながら読み、登場人物のプロフィールもメモしながら読んでいます。

時間があるときに少しずつ読み進めているので、月に一冊程度しか読めていませんが、とにかくじっくり読んでいるので作品世界に深くひたれます。

メモをすることで時間がかかっても物語の筋は失わないし、書き留めたメモが読み進めるための補助となり、集中力がないときでも本を読むことができます。

①で紹介したように最初から最後まで読まない本が多数ですが、一冊だけはじっくり読むというスタイルを併用することによって、読書のプレッシャーから解放されながら読書の醍醐味も同時に味わうことができています。

オーディオブックを利用する

最後の方法はオーディオブックを利用することです。

ここ数年で聴く読書として日本でも浸透してきました。

オーディオブックの特徴は隙間時間を利用して読書ができることです。
通勤途中、運転中、家事や料理をしながらなど、両手が空いた状態でも読書を聴くことができます。

品揃えも充実しており、新作も割と早くオーディオブックとして作品化されていきます。

読書時間がとれなくて困っている方は、ぜひ一度試してみてください。

日本だとAmazonの「Audible(オーディブル)」か「audiobook.jp
」が有名です。

どちらも初月は無料で利用できます。

私はAudibleユーザーですが、両方ともしっかりとしたサービスなので、気になる方から選ぶといいかもしれません。
(あるいは両方とも試して、気に入った方で利用を継続するなど)

» Audible(オーディブル)

» audiobook.jp

私がオーディオブックで読む(聴く)本は、だいたい月に一冊程度です。

これまで紹介した3つの方法で、だいたい月に5冊前後の本を読めるようになっています。

読書に対しての気構えを変える

読書はとても楽しく、刺激的な行為です。

読書が習慣になる前の18歳までの私は、読書に対して地味なイメージがありました。

でも、読書はたくさんの可能性をひらくだけでなく、とても良質なエンターテイメントでもありました。

それからたくさんの本を読んできましたが、30歳をすぎてから読書量が激減しました。

それまではとにかく最初から最後まで本を読み切ることにこだわっていましたが、本との付き合い方を変えることでまた楽しく読書ができるようになりました。

ぜひ、これから読書を始める方や、読書が行き詰まっている人方の参考になれば幸いです。

たくさんの本を読み、たくさんの刺激を受けることは人生を豊かなものにします。

本を読み、勉强することの楽しさは千葉雅也さんの『勉強の哲学』で改めて実感しました。

こちらもおすすめです。

» 勉強の哲学 来たるべきバカのために 増補版 (文春文庫)

ねづ店長のワンポイントアドバイス

本を読むことで広がる世界がある。気負わず無理せず、読書を生涯の友としよう。



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